シリコンバレーロックダウン後日記

起点はシリコンバレーがロックダウンされた2020年3月。2021年6月、シリコンバレーのロックダウンが解除されてから、シリコンバレーと世界がどのように回復に向かっていくのかを日記に記録してみようと思う。

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Delta (デルタ)ってなんだ?

最近、米国のニュースを騒がしているのはCOVIDの新しい変異株 Delta だ。これは、猛威をふるい多大な犠牲者をだしているインドの変異株で、正式名称は B.1.617.2 であるが、つい先日 WHO により Delta という通称が振られた。

これまでの代表的な変異株にはギリシャ名が与えられているので、ついでに紹介すると以下の通りとなる。

アルファ  B.1.1.7 英国型

ベータ      B.1.351 南アフリカ型

ガンマ      P.1  ブラジル型   

デルタ      B.1.617.2 インド型     

どれもニュースで繰りかえし聞いてきた代表的な変異株だ。

今回、デルタが非常に大きな話題となっている理由は、もともとアルファ型が蔓延していた英国だがワクチンの接種が進みすっかり感染が静まった今、新規感染で見つかるのは、アルファに取って代わってデルタが優勢になったことがほぼ確実になってきたからだ。どうやら今後のパンデミックでは、デルタが主役候補として大きく一歩先に抜きん出てきたらしい。

デルタの特徴は、感染しやすくなっているすべての変異株の中でも、更に感染力が強いといわれている。また、重症化して入院する患者の割合も、これまでの変異株よりも高く、また、若い人たちの間でも重症化している例が多い。

気になるワクチンの効果だが、英国で接種されているアストラゼネカは、デルタ変異化株に対して60%の有効率、ファイザーは88%の有効率だ。ただし、ファイザーの2回接種のうち1回のみ接種している場合は有効率は33%に落ちる。アルファに対しては1回のみの接種でも70%の有効率だといわれていたので、デルタに対しては随分と効果が落ちていることがわかる。副反応を敬遠して1回のみの接種で済まそうとしていた人たちにとって、このデルタの到来は2回目の接種をする重大な根拠となるので注意が必要だ。

現時点で、米国の感染の6%がデルタだと言われているが、その高い感染力からいってこの数字は次第にあがってくることが考えられる。現在英国では、感染の60%がデルタだといわれていて、デルタに対してアストラゼネカの有効率は下がってしまうため、その辺りが大きな懸念点となっている。米国でも英国と同じようにデルタが優勢になることを回避するために、ワクチン未接種の人は可能な限り接種するように呼びかけられている。

この感染力の非常に高いデルタのために、これまで比較的感染を制御してきた東南アジアで、COVIDが猛威をふるいはじめた。できるだけ早く世界へのワクチンの分配が進むことを願ってやまない。

米国も感染が収まってきているとはいえ、未だに1万人以上の新規感染者が毎日でており、死者も一日500人前後だ。まだまだ鎮圧されているとはいいがたい今、デルタの攻撃でワクチンを接種していない人の間で、小規模な感染拡大が発生する可能性を無視できない。そんな中、さまざまな噂により感染を躊躇、拒否する人々が後をたたず、特に中部、南部の地方では驚くほどワクチンの接種が進んでいない。巷に溢れているワクチンのリスクに関する噂はどれも根拠がないものなのだが、「さまざまなワクチン危険説は根拠がなく疑わしいといっている専門家は組織的に嘘をついている」という、疑いに疑いが覆いかぶさるような、猜疑心にあふれている状態の人々にはなにを言っても、ほぼ無駄だ。

自分自身が納得してワクチンを拒否している場合は、自己責任なのでしょうがないとして、その家族や友人やコミュニティのワクチンの接種に影響を及ぼしているところが、問題なのではないかと思う。特にそのような家族を持つ若者は、本人に接種意思があっても、家族に止められてワクチンを接種できないことも多く問題になっている。親の意思に反してワクチンを受けて、家から追い出されてホームレスになったという耳を疑うようなニュースも先日読んだ。

どこの世の中にも、自分の思想以外を受け入れることができない、極端な人というのは存在するものだ。実際には、私はこう、貴方はそう。考えた方が違ってても共存できるよね、という社会が私達には必要なのだけれど。

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