シリコンバレーロックダウン後日記

起点はシリコンバレーがロックダウンされた2020年3月。2021年6月、シリコンバレーのロックダウンが解除されてから、シリコンバレーと世界がどのように回復に向かっていくのかを日記に記録してみようと思う。

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懲りない人々とホリデーシーズン(オレンジティア)

米国の感染拡大がすごいスピードで広がっている。ちょっと前まで、4万人だった一日の新規感染者は5万人を超えた。特に中央の北部の拡大状況がひどく、1日の新規感染者数がこれまでの最高値に達している州がいくつもある。

前述のバーモントやカリフォルニアのように、低い数値を出したまま耐えている州もあるが、それはほんの一握りで、ほとんどすべての州でじりじりと感染が拡大している状態だ。

タイミングが悪い。1ヶ月もすると米国はホリデーシーズンに入っていく。感染拡大が予想されるホリデーシーズンが始まる前に、可能な限り感染率を下げておかなくてはいけないところなのに、むしろ感染率は上り坂だ。

10月末にはハロウィーンがやってくる。米国のハロウィーンは子どもたちの間で最も人気がある行事の一つだ。我が家は毎年、家のフロントヤードを骸骨やらお墓やら蜘蛛の巣やらで飾り、おどろおどろしい照明も設置し、ティーンエイジャーたちが魔女やおばけの変装して、コスチュームを来たかわいい子どもたちを驚かせながらキャンディを渡すのを楽しみにしている。

今年はもちろんハロウィーンのパーティもトリックオアトリートも、郡の衛生局からリスクが高いのでやらないほうがよいと警告が出ている。ガイドラインを受けて、我が家の飾りも、今年は骸骨がマスクをして「Sorry No Candy」の看板を持ってライトアップされるというデザインにした。せっかくの土曜日のハロウィーンなのに残念だ。

きっと当日は、ガイドラインを無視したパーティやトリックオアトリートがあちらこちらで開催されそうな気がする。心配だ。

そして、ハロウィーンを乗り切った後は感謝祭がやってくる。米国では感謝祭はとても重要なファミリーイベントなので、遠くから飛行機に乗って家族を訪問する人たちも多い。気候も寒いのでパーティは室内になってしまう可能性が高い。このようなイベントは非常にリスクが高いので回避するべきだというニュースが、感謝祭を来月に控え計画を始める人々を諌めるために毎日のように流れている。

ファウチ博士曰く、混雑した飛行機や空港で旅行をした人々が、一つのテーブルを囲んで食事をとるのは非常にリスクが高く、特に年配者には重症化するリスクが高いことを踏まえて、家族でどのくらいのリスクを取るべきなのかをよく話し合ってほしいそうだ。政府関係者も識者も口を揃えて、必要のない旅行やパーティは避けるようにとか、Zoomディナーをするようにとか、警告を出しまくっている。

しかし、すでに高い感染率をもってしても、まだ懲りずにさらに高い感染率をだし続けている米国が、これらの警告聞いてパーティをしないかどうかは本当にわからない。私個人的には、こんな状態になっても、年配者のいる家族が皆で集まってパーティをしようとする発想がさっぱり理解できない。しかし、どちらかといえば規制が守られているカリフォルニアですら、近所に、週末にマスク無しでパーティをやってる家があったり、子どもたちがお泊りパーティなどをやっている家があることを考えれば、きっとたぶん、米国のあちこちで例年のようなパーティが開かれてしまうような気がする。なかでも、感染拡大が著しい大学生が実家に帰ってくることがちょっと怖い。

そして、感謝祭で広がった感染が目に見える形でデータに上がってきた頃が、クリスマスの直前となる。懲りない人々は、今度はクリスマス休暇で移動する可能性が高い。

今後3ヶ月は想像しただけでもゾットするリスクの高さの連続だ。せっかく感染が収まっているシリコンバレーなのにホリデーシーズンがすべてを駄目にしてしましそうな気がして、郡の境界に検問を設けて誰もいれてほしくないくらいだなと非現実的なことを考えてしまう。

まあ、そんな悲観的なことをばかり考えていても、他人のやることはどうしようもなく、できることは自分の努力だけなので、家で楽しめることという探しの一環で、ブロードウェイが始めたストリーミングサービスを見ることにした。今週から、毎週、有名な俳優たちが有名な演劇タイトルをストリーミングすると言うので、興味津々でチケットを買ってみた。チケット代はすべて、現在苦しんでいるActors Fundに寄付されることになる。チケットを買うと、3日間ストリーミングにアクセスできるリンクとパスワードが届くのだ。

パンデミック前にやった劇場のビデオ収録映像を流すだけなのだと思っていたのだが、リンクを開けてびっくり、なんとZoomを使って各演者が演技を交わしているという形式だった。つまり、開演時間にログインすれば、本当に生で演者がZoomでやり取りをしているものを見れるような気がする。で、その後は、録画を好きな時間に見えることになっている。

このストリーミング、各演者がそれぞれの家から自分の機材を使って動画送信をしているので、画質も背景も音質も音量のばらばらで、テレビのボリュームを大きくしたり小さくしたりしながら見なくてはいけないという、なんともびっくりストリーミングだ。シーンによって複数の人が写ったり、一人が写ったりするところをみると、誰かが画面割の制御をしているのは間違いないのだが、音量のコントロールまではできていない。

演者は胸から上しか映らないので、演技をしてるというよりは、台本を通し読みしている感じに近いのだが、演者たちは顔の表情や手を使ってできる限りカメラに向かって演技をしようとする。相手の演者は画面越しにしかいないので、さぞややりにくいと思うのだが、見ているうちに、演者同様に視聴者も、この奇抜な謎ストリーミング形式になれてきて、それなりにストーリーを楽しめるようになった。

背景がばらばらなので、かれらがどんな舞台立っているのかは、想像力を駆使しなくてはならない。一緒に見ていたティーンエージャーと、お互いの頭の中にある舞台は全く別物だろうね、と笑った。時代設定はケネディ大統領の時代なのだが、電話のシーンで俳優が携帯電話を出して話すのが、そこだけ突然近未来的で可笑しかった。

来週も時間があったらみてみよう。

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