シリコンバレーロックダウン後日記

起点はシリコンバレーがロックダウンされた2020年3月。2021年6月、シリコンバレーのロックダウンが解除されてから、シリコンバレーと世界がどのように回復に向かっていくのかを日記に記録してみようと思う。

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インフルエンザとCovid-19(ティア2)

来週には10月が始まる。いよいよインフルエンザの季節がやってくる。

専門家が恐れているのは、このままCovidの感染拡大がおさまらず、かつ、インフルエンザが流行った場合、医療機関が対応しきれなくなる可能性があること、また、2つのウィルスに同時にかかる可能性があるため、合併症の危険性がさらに高まることだ。

インフルエンザとCovid-19は、その症状がそっくりだ。どちらも熱、体の痛み、喉の痛み、咳、息苦しさ、倦怠感、頭痛、と共有する症状のオンパレードで、具合悪くなっても実際はどちらにかかっているのかはテスト結果を見るまでわからないと言われている。

若干の違いは、インフルエンザの患者は症状が出始めた週が一番重いのに対し、Covidの患者は2週目3週目の方が重い症状が見られる傾向があることと、Covidの患者は匂いや味が感じられなくなる人が多い点だが、これらも必ずという訳ではなく、決め手に欠けている。結局、テストを受けるまではどちらにかかったかわからないそうだ。

実際、インフルエンザの特徴といえば、飛沫感染、エアロゾル感染の可能性、基本疾患をもつ人、高齢者、肥満症状のある人は合併症を起こして重症化しやすいことだが、まさしくCovidの特性とほぼ一致している。

そして予防の仕方も全く同じだ。マスクをして、ソーシャルディスタンスを保ち、手をよく洗うことによって、かなり予防することができる。つまり、Covid-19 が予防できていれば、必然的にインフルエンザも予防できるのだ。

だから、インフルエンザの予防注射をしなくてもよいという人もいるかもしれない。確かに家から一歩も出ず、誰とも会わないで今後6ヶ月を過ごす予定があるのなれば、それでも良いのかもしれないが、実際には、それを実現できる人はあまり多くない。いつどこで、ウィルス感染するかわからない現状においては、今年インフルエンザの予防注射を受けることは、例年よりもさらに重要であると専門家は訴えている。

世の中には、インフルエンザの予防注射によって病気になる可能性があるから摂取したくないという人たちがいるが、医療関係者はインフルエンザのワクチンによってインフルエンザにかかることはないと断言している。また、過去にインフルエンザの予防注射も受けたに関わらず、インフルエンザにかかった経験のある人たちは、予防注射は無駄だから受けないという人たちがいる。

実はこれについて、学ぶとなかなか面白い。全てのワクチンというのは発症を100%予防するものはないのだが、例えばワクチンの発症予防率が50%だと言われた場合、人々はワクチンを摂取しても50%の確率で発症するのであれば、そんなワクチンは受ける必要がないと考える。ところが、発症率予防率というのはそういう視点で考えるものではないのだ。

例えば100人いて、そのうち10%がウィルスに感染するとする。発症予防率50%のワクチンを100人全員が摂取している場合、発症する人は5人に抑えらえる。全員が摂取していない場合は10人が発症する。これをもっと大きな人数に置き換えると、よりわかりやすい。

人口100万人の街があった場合、街で10万人が発症するのと、5万人が発症するのとでは、医療機関への影響は雲泥の差だ。また、マスクなどの感染予防の手段をしっかり実行していない場合、発症者からの感染が指数関数的に増えていくことを考えれば、発症者が半分になることは、社会的健康という視点で考えると非常に効果が高い。

だから、どうせ摂取しても効かないから摂取しないというのは、あくまでも個人目線の話であって、社会目線では、できるだけたくさんの人がワクチンを摂取するべきなのだ。

そして、忘れてはいけないのは、予防注射を受けた後も、感染防止のための努力を続けることだ。これはインフルエンザワクチンはもちろんだが、仮にCovidのワクチンが受けれる状態になった場合も同じである。

発症予防率100%のワクチンは存在しないし、国民全員がウィルスを摂取することもないと言われている。うまくいっても、国民の75%から80%に摂取されることができれば合格だと考えられている。つまり、ワクチンが完成した後にも、Covidが魔法のように消えて無くなることはないのだ。

それはインフルエンザと同じで、インフルエンザが無くなることもなければ100%予防できることもない。毎年何人もの人がインフルエンザで亡くなっていることを考えれば、Covidのワクチンが完成され摂取が進んだとしても、感染をゼロにするのが難しいことは想像できるだろう。もちろん、今のような勢いで広がることは防止できるようになるだろうし、たくさんの人が摂取すればするほど、発症者は少なくなっていくだろう。

最終的には、Covidも今のインフルエンザのように、退治することはできないけれど、大多数の人にとっては、感染しても死に至ることはない病として存在し続けるのではないかと思う。その段階に到達できるのが、いつになるかはまだわからないけれど。

 

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