シリコンバレーロックダウン後日記

起点はシリコンバレーがロックダウンされた2020年3月。2021年6月、シリコンバレーのロックダウンが解除されてから、シリコンバレーと世界がどのように回復に向かっていくのかを日記に記録してみようと思う。

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世界的集団免疫の達成は遠い未来

現在、世界のあちらこちらの国でワクチン接種拡大とデルタ株の感染拡大が猛レースを繰り広げているわけだが、レースにすらならないでデルタ株の恐怖と戦っている国は多い。

世界的に集団免疫を達成するためには、世界の人口の70%がワクチン接種済みになる必要があるといわれるが、現時点でワクチンを接種したのは10%に過ぎないといわれている。そして、そのうちの0.9%が貧しい国の人々だそうだ。貧困国では99%の人々が医療関係者も含めワクチン接種にありついていない。

これは、ワクチンの供給が足りないせいだと思うかもしれないが、実際のところはワクチンの供給よりも分配のほうに大いに問題があるそうだ。

多くの豊かな国はとにかくワクチンを買いまくった。例えば米国では1人につき3.7回接種できるだけのワクチンが確保されているそうだ。必要なのは2回もしくは1回であるのにも関わらずだ。人口の少ないカナダに至っては、1人につき5回以上接種できるだけのワクチンが確保されているという。カナダはジョンソン&ジョンソンは使っていないようなので、必要なのは2回である。

このように豊かな国が必要以上の数のワクチンを確保することは、ほかの国へのワクチンの供給量の少なさの原因の一つであることは容易に想像できる。現在世界の7分の1の国では、人口の50%以上の人々がワクチン接種済みであるが、残りの7分の6の国では、医療関係者や高齢者の分だけの確保も難しい状態だ。

WHOが主催するCOVAXはこれらの貧困国に公平にワクチンへのアクセスを促すための世界的な組織だが、そのCOVAXですら、掲げている目的は貧困国の人口の20%にワクチンを接種させることであり、これらの国では集団免疫などという贅沢は、目標にすら挙げられていない。

もし各国が自国のことを二の次にして、世界的な視点に立ちリスクや必要度に応じてワクチンを分配することができれば、このパンデミックのよる世界的な死者は約半分になるだろうといわれている。しかし、ワクチンを購入し分配している各国の政府は、それぞれの国の投票者に支えられた存在であり、投票とは関係のない自国外の人々へワクチンを分配する前に、自分の支持基盤の人々にワクチンを優先して分配しようとするのは、現在の政治や経済の仕組みではやむを得ないといっていいのではないかと思う。

自国の国民に徐々にワクチンがいきわたるにつれ、これらの富裕国は貧しい国へのサポートを発表し始めた。現時点で支援の中心になるのは、彼らが仕入れたものの使っていない、購入しすぎたワクチンの寄付である。今後は、ワクチン購入資金の援助などを含め、富裕国は貧困国のワクチン接種を積極的にサポートすることが望まれる。なにしろ、世界のどこかでCOVIDが特異な感染力で猛威を振ればふるほど、さらに驚異の新変異種を生む可能性は避けられないからだ。パンデミックが収まらない限りは、デルタどころでは収まらないのである。

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