シリコンバレーロックダウン後日記

起点はシリコンバレーがロックダウンされた2020年3月。2021年6月、シリコンバレーのロックダウンが解除されてから、シリコンバレーと世界がどのように回復に向かっていくのかを日記に記録してみようと思う。

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とりあえず庭でも

カリフォルニアは今が一番気持ちの良い季節だが、今年は早々に気になることがある。冬に雨が少なかったことだ。

カリフォルニはここ10年ほど水不足の年が多い。夏はもともとまったく雨がふらないので、勝負は冬の間にどれくらい平地に雨がふるか、または山岳地帯に雪が積もるかなのだが、気候変動の影響を受けてか、冬に十分に降らない年が増えた。

なかでも今年は降らなかった。ロックダウンで家の中にいることが多かった今年こそたっぷり降ってほしかったのに、そんな期待はあっさり裏切られ、私の記憶の中でも最も雨が降らなかった年のような気がする。これでは夏の水不足は今の段階で必須になることが予測される。

私の記憶に残る最も水不足だった夏は、節水制限が出され、庭に水をまく時間が制限されたり、シャワーなどにも必須ではないもののおすすめの時間などの連絡が来た。その経験を踏まえると、今年は確実に庭の水撒きなどは制限されそうだ。前回庭の水撒きを制限されたときは芝生はもちろんのこと、紫陽花など庭に長く生きてきた植物が枯れてしまった。

ということで、今から水を最低限に使って庭で快適に過ごすをテーマに活動を始めることにした。状況は良くなってきているとはいえ、米国はまだパンデミックの中だ。我が家のティーンはいつワクチンを接種できるかわからない。この状況では、今年の夏に旅行にいくことはあまり期待できないし、それならばせめて庭でバーベキューなどをしながらのんびり過ごしたい。そのためにも節水状態の中、いかにして庭をまともな状態に維持するかは結構重要だ。

まず、あっさりと広い前庭の芝生を諦める。節水の夏に広い前庭に水をまくのは心が痛いうえに体裁も悪い。「茶色が新しい緑です」などという看板を芝生が枯れた茶色い庭に立てる人もいるくらいだから、我が家も茶色でいい。

でも、玄関の前ぐらいは植物を楽しみたいので、猫のひたいほどの玄関前の芝生には早朝に毎日水をやることにして、その周辺には鉢の植物をおきポトポトと水が落ちる形式の超節水ウォーターシステムをセットした。

裏庭はパテオでバーベキューをしたり、居間の窓からもいつも見えることを考えると、茶色いと心が荒む。窓から見えない方の庭は諦めて水撒きの頻度をぐっと減らし、窓から見える方の庭はあまり広くないので毎日水をまくことにした。こちらもパテオ内に鉢の植物を多く設置して節水ウォータシステムをセットした。

さて、これで、どれくらい夏の間、快適に過ごせるだろうか。

夏に旅行に行ったり、日帰りレジャーで家をあけることが多かった頃は、家の庭が多少荒れていても殺風景でも気にならなかったが、ロックダウン以降、窓から見える風景は、これまでよりもずっと目に入るようになった。むしろ、外というのは窓かから見える風景だった一年だった。

カリフォルニアは来る6月に、とうとうロックダウンを完全に解くと発表しているので、今年の夏はずっと家にいなくてもよくなる。が、それでもマスクやソーシャルディスタンスを気にしながらのレジャーとなると、それくらいなら今年も家でのんびり過ごしてもいいかなと思ったりもする。

パンデミックの前は、週末は出かけないと損をしたような気分になることもあったし、出かけた知り合いの話を効いては羨ましく思ったこともあったが、ロックダウンな一年を過ごしたあとは、「なんかこういう風に過ごすのもいいもんだな、無理に出かけなくてもいな」という発想に変わった。出かけない分の資金は家で快適に過ごすために使うのも悪くない。

そして、世界中でパンデミックが収束し始め、飛行機に乗って遠くまで旅行に行けるようになったら、ちょっと長いバケーションに出かければいいかな。それ以外は、どこにもいかずに、快適な家と庭で好きなことをしてすごせばいい。家に閉じこもっている時間をなぜか無駄のように感じていたパンデミック前のほうが、ちょっとおかしかったかもしれないな、と今は思う。もうちょろちょろと出かける必要はない。

パンデミックのような歴史的なイベントは、人々の生き方や考え方もじわじわと変えていくのだろう。

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