シリコンバレーロックダウン後日記

起点はシリコンバレーがロックダウンされた2020年3月。2021年6月、シリコンバレーのロックダウンが解除されてから、シリコンバレーと世界がどのように回復に向かっていくのかを日記に記録してみようと思う。

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世界はアマゾンで満ちている(パープルティア)

パンデミックで何が変わったかといえば、人々がより多くのことをインターネットで済ますようになったことだ。オンラインショッピング、オンライン授業、オンラインミーティング、オンライン飲み会、とにもかくにも、家にいながら仮想空間でなんでもできるオンライン生活の便利さよ。

なかでも米国の自粛生活のなかでその知名度を劇的にあげたのはZoomだが、ビジネスを超劇的にのばしたのは、かのAmazonである。Amazonに限らず、オンラインショッピングのビジネスは今年大幅な伸びをみせているが、ショッピング界のAmazonの席巻はすごいものがある。

なにしろ、今年のAmazonは1日あたり平均1400人のペースで新規雇用をふやしているのだというのだからすごい。1年でもなく、1ヶ月でもなく、1日1400人だ。その結果、今年の1月から10月までの新規雇用者数はなんと42万7300人、全世界の総雇用者数120万人の超巨大企業に成長した。その規模は、アメリカの都市で言えばダラス、日本の都市で言えば広島市の全人口と同じぐらいの人間がAmazonに雇われているということだ。

その上、この120万人には、ホリデーシーズンのために雇用された短期雇用者約10万人は含まれておらず、また、配達のために契約している約50万人のドライバーも含まれていない。つまり、全世界でAmazonのために働いている人間の数は120万を遥かに超えた数字なのだ。今や、「Amazonは狂ったように人を雇い続けている。こんなにたくさんの人員をこんなに速いスピードで雇用している企業は米国にはない」と、専門家に言わしめる状態だ。

新規雇用者の大部分は倉庫で働く人員だが、それ以外にもソフトウェアエンジニアやハードウェアエンジニアも含まれている。なぜなら、今やAmazonはクラウドコンピューティングでも業界のトップ、プライムビデオのようなエンターテイメントストリーミングサービスでもメジャーな企業の1つだ。Amazonのどの事業をとっても、パンデミック世界に欠かせないものばかりなのだ。

パンデミックが、米国にもたらしているのは、実は経済危機だけではない。これまでの経済セクタから別の経済セクタへのビジネス活動の劇的な変動を引き起こしたのである。パンデミックが終結しても、オフィスに通勤して就労するスタイルは戻らず、今後も在宅ワークが主流になると予想されているのと同じように、ショッピングセンターや映画館も、オンライン上のショッピングやエンターテイメントに人々が慣れた今は、パンデミック後も一部の人はオンラインで手に入るものにに満足し、元の活動には戻らなくなることが予測されている。

ということは、パンデミックが終了してもAmazonの成長は止まらない可能性があり、このペースで成長すると2年以内に世界最大の企業となる可能性もある。その経済活動、経済規模は驚異的であり、今や仮想Amazon国家の建設も可能なレベルになりかねないということで、すでにあちらこちらの政府関連から牽制の動きが始まっているともいわれている。

さて、昨日の米国はブラックフライデーだった。普段ならショッピングセンターや専門ショップに列を作り、狂ったように買い物をする人々の多くは、代わりにコンピュータの前に座りAmazonの画面を何時間も眺めていたことだろう。

そして、今日も明日も、毎日のようにAmazonの配達員が呼び鈴をならし、Amazon Echo から Aalexa が今配達されたのが何なのかを告げてくれる。

パンデミックの世界はAmazonで満ち満ちているのだ…

 

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参照:

www.nytimes.com

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