シリコンバレーロックダウン後日記

起点はシリコンバレーがロックダウンされた2020年3月。2021年6月、シリコンバレーのロックダウンが解除されてから、シリコンバレーと世界がどのように回復に向かっていくのかを日記に記録してみようと思う。

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サンクスギビングの空席(パープルティア)

たくさんの人達がどんなにSNSやブログを使って訴えたところで、CDCが訴えても、ファウチ博士がメディアで訴えても、伝わらないものは伝わらないものだ。

先週末、さまざまな専門家や医療機関による感染拡大抑止の訴えを無視して、なんと200万人の米国人がサンクスギビングのホリデーのために空港に押しかけ飛行機にのった。

200万人でも、去年のサンクスギビング前の週末に比べると、実は半分以下の旅行者数なので、医療機関のアドバイスをきいて、自粛した人たちもたくさんいた。しかし、パンデミック始まって以来、最悪の感染状態の中、最多の人たちが空港で混雑を形成して、飛行機を満席にしたことには変わりない。

そして、飛行機に乗った人たちには目的がある。多くの人たちの目的は、家族や故郷の友人とサンクスギビングをすごすことだ。

何度も語られてきたことだけれど、一緒に住んでいる家族以外の人たちが集まるパーティは、それがどんなに小さいパーティであっても感染拡大に寄与してしまう可能性がある。

10人のディナーテーブルに1人の症状のない感染者が参加していたとしよう。運が良ければ、2人ぐらいの感染ですむかもしれないが、運が悪ければ8人ぐらいに感染させてしまうかもしれない。どちらにしても、このディナーの参加者が比較的若く健康な人達だった場合、感染した2人から8人の人たちは、症状がない感染者としてパーティを後にして、自分のコミュニティにウィルスと共に帰っていくのだ。サンクスギビングホリデーには、複数のパーティや集まりに参加する人も多い。また、ショッピングに出かける人も非常に多い。感染して症状のない人たちが、別メンバーの別の集まりに参加して、さらに2人、3人に感染させるかもしれないし、ショッピングに出かけて数人に感染させるかもしれない。

さて、ディナーテーブル1つでも、このように感染者が増えていくシュミレーションが頭の中で組めれば、もし何万、何十万というディナーテーブルが存在するとしたら、このホリデーが生み出す可能性のある感染拡大の規模が想像できるだろう。ほんの少しの人たちのちょっとした集まりだから、私達は大丈夫という神話はそこにはない。これらのすべてのディナーテーブルは今後2週間の感染拡大の責任の一端を持つ。すでに、膨大の感染者と入院者数をかかえている米国の医療機関に、サンクスギビングホリデーの2週間後には、新たな患者のバッチが投入されることになりそうだ。

ところで、今日は非常に印象的な映像を見た。

毎年集まっていたサンクスギビングの食卓に、今年は空席が何十万とある。それらの空席は、旅行を諦めてこれなかった家族の椅子ではない。ウィルスにより亡くなった家族のための空席だ。サンクスギビングは家族が集まるイベントであるから、そこに座るべき人が二度と座ることがないのは悲しい。空席について語る人々の表情が切なくて悲しい。

次々と映る空席と、その空席に座るはずだった人たちの映像と思いを語る家族たち。そこにはメジャーなニュースにはならない無数の人たちの死と喪失が語られていて、このような人たちが今後更に増えていくのかと思うとやりきれない。

https://www.cnn.com/videos/us/2020/11/23/thanksgiving-holiday-2020-covid-deaths-empty-chairs-orig-kj.cnn

 

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