シリコンバレーロックダウン日記

起点はシリコンバレーがロックダウンされてから2週間と1日目。New Normalな空間となったシリコンバレーからロックダウン日記を記録してみよう。

ホリデーの予定はキャンセルしてください(パープルティア)

金曜日、サンタクララ郡の衛生局の顔となったサラ・コーディ博士は、メディアを通して住民に要望した。

ホリデーの予定はキャンセルしてください。家で過ごしてください。

前日の木曜日には、CDCが同じようにホリデーは家で過ごすように嘆願したばかりだ。サンクスギビングまで残り一週間。早い人は今週末からホリデーが始まり、遠方の家族の元への旅行を始める人もいる。

シリコンバレーのあるサンタクララ郡の新規感染者数も毎日のように増え続け、このスピードで感染が広がり、入院患者が今と同じペースで増えた場合、3週間でサンタクララ郡の病院のベッドは満床になるという予想が発表された。これを受けて、コーディ博士はこのような要望を発表したというわけだ。

彼女は相変わらず落ち着いていて、迷いのない断固とした口調だった。お願いというよりは、もはや命令に近い切迫感を感じた。しかしたぶん、現時点ですでに旅行をすることや、パーティをすることを決めている人々には、彼女の言葉は届かないのだろう。

この日は、金曜日1日だけで、米国で20万人を超える新規感染者と2千人近い死者が発表されている。この状況においても、未だに多くの人々がまるで他人事のようにとらえていて、普通にホリデーを過ごそうとしていることが、私には不思議でならない。

同日、我が家のティーンのオンライン授業の先生が、フロリダのディズニーワールドからオンライン授業の中継をしているのを見て仰天した。ディズニーワールドから授業の中継にも驚いたが、旅行をするな、家にとどまれ、と毎日のように警告が繰り返されているにもかかわらず、自分の子供の為とはいえ、カリフォルニアから遥々フロリダまでホリデーを過ごす旅行をしていることに驚いた。そもそもオンライン授業じゃなければ、学校のある日に教師がディズニーワールドに旅行する事自体許可されないはずなのに。まるで、パンデミックを利用して、自粛どころかホリデーを存分に楽しんでいるように感じてしまう。こういう人たちの感覚はどうなっちゃってるんだろう。

このように、教師が模範を示せないのでは、生徒たちが規制を守る態度もゆるゆるだ。住宅街に散歩に出れば、ティーンエイジャーたちがマスクをしないで集まって過ごしている。これだけ感染率が上がってきている土地で、たくさんの子どもがマスクをしないで普通に遊べば、当然ながら、子どもたちの間で感染が広がるだろう。それが無症状であっても、次に家庭に入り込んでいく。そして、誰も気づかないで感染している家族がサンクスギビングのパーティを普通に室内で催せば、パーティ参加者に感染はあっというまに広がるだろう。ティーンエイジャーたちのおじいさんやおばあさんたちは相当危ない。

米国人にとって、サンクスギビングは本当に特別なホリデーで、遠方からの家族が集って様々なごちそうを並べて飲んだり食べたりする。日本で年始に親戚一同が集まる習慣があることが多いと思うが、その感覚に近い。この日に学生や独身者が1人で過ごすことがあれば、その孤独感が普通の日の数倍だ。日本の年末年始を1人でアパートで過ごすことを想像してもらえれば、いい線でイメージできると思う。だから、人々は集まるし、孤独な人が発生しないように、そういう人を招待したりもする。心温まる習慣だ。パンデミックの最中でなければ。

New York Times がエピデミックの研究者635人にアンケートをとったところ80%近くの人が今年はサンクスギビングをやらないか、家の住人だけで祝うかのどちらかだったのだが、なんと21%の人はエピデミックの研究をしている人ですら家の住人以外とサンクスギビングを祝うと回答した。もちろん彼らは、工夫に工夫をこらして感染が発生しないようにするらしい。ディナーは基本野外で行うとか、パーティの前の2週間以上は隔離生活を送った上でテストを受けて陰性だったら参加するとか、工夫のほどは様々だが、それでも、これだけリスクが高く、やめるように推奨されていることを、エピデミックの研究者でもキャンセルできないというのが驚きだ。サンクスギビングというのはそれほどまでに米国人にとって重要なものなのだと、米国に移住して何十年の私であるが、今更ながらカルチャーショックを受けている。

これでは、ほぼ確実にサンクスギビングは、すでに恐ろしい数字を出している感染拡大に、さらなる油を注ぐのは間違いなさそうだ。それがわかっていない人はもちろん、わかっている人でも、集まりを諦めきれない。残念だ。

今日はもう一つ残念なニュースを読んだ。現大統領のことでこれ以上がっかりすることはもうないと思っていたのだが、まだあった。本日G20がバーチャルミーティングで開催された。トランプ大統領は午前8時からのミーティングに参加したが、参加をはじめて13分後には、ここ数週間、彼の習慣となっている大統領選挙の結果を覆すための努力であるツイートを発信している。どうかんがえてもG20のミーティングに真面目に参加していたようには思えない。その上、午前10時には、ホワイトハウスを出発してゴルフ場に向かった。そのままゴルフをして、G20がコロナウィルスのために開催したミーティングには出席しなかった。

G20をサボるだけならまだわかるが、サボってゴルフをしていたというのが脱力だ。それも1日あたり、世界で9千人近く、米国で1500人近い人がコロナウィルスで亡くなっている今、世界各国のリーダーが集まってコロナウィルス対策を話し合うミーティングセッションをあえて欠席し、自国独自の対策を検討するというようなことでもなく、ただゴルフをしていたというのが、彼のウィルスに対する姿勢をあまりにも明確に示している。彼にとっては、ウィルスもウィルスによって亡くなっていく人たちも、本当にどうでもよいのだろう。

彼にだって休息は必要だと弁護する人もいるかもしれないが、彼は先週も先々週もゴルフに行っていたのだ。彼はただのサラリーマンではない。国家のリーダーだ。国が非常事態にあるときに毎週末ゴルフに出かけて、残りの時間は先日の選挙の結果を覆す策略と、自分の身の回りのことで頭がいっぱいだ。

そんなリーダーが指揮をとっている国なので、同国の感染者数は世界一だし、死者も増え続ける一方だ。今更驚くべくもないが、さすがに酷いなと感じることは辞められなかった。

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