シリコンバレーロックダウン後日記

起点はシリコンバレーがロックダウンされた2020年3月。2021年6月、シリコンバレーのロックダウンが解除されてから、シリコンバレーと世界がどのように回復に向かっていくのかを日記に記録してみようと思う。

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笑って小休止(ロックダウン52日目・現時点の解除予定日まで残り25日)

*この日記でロックダウンと呼んでいる規制は正確にはShelter-in-PlaceまたはStay-at-Home(自宅避難)規制と呼ばれています。ロックダウンには広範囲の意味があり、緩い規制から厳しい規制にまで幅広く使われいます。

昨日、今日とシリコンバレーのお隣サンフランシスコから暗いニュースが流れてきた。世界的にも知られているサンフランシスコの2つの中堅企業であるAirbnbとUberが人員カットを発表したのだ。Airbnbは1900人、Uberは3700人の仕事が失われる。どちらの企業も近年急激に成長してきた中堅企業で、さらなるビジネスの拡大を目指していた矢先、どちらもロックダウンの影響を直接受けてしまった。今や職を失うのは、小規模ビジネスで働いていた労働者だけではない。

しかし、ここ数日どうにもこうにも暗い話題を追いかけてきたせいで、こっち気分が落ち気味だ。ここで失業者の話を掘り下げると、自分が浮上するのに時間がかかってしまいそうだから、この話はここまで。別の機会に取り上げることにする。

前にも書いたけれども、情報というのは少ないのは致命的に問題だが、多すぎるのは精神衛生上よくない。毎日毎日、あれもこれも憂いていてはエネルギーが枯渇してしまう。

なので、今日は数日前のどうしても笑えてしまうニュースに触れることにする。

先週の金曜日、カリフォルニアでも若干の規制緩和が発表され、いくつかのアウトドアアクティビティが明示的に許可された。ソーシャルディスタンスを保ち、道具を共有しないアクティビティというのが基本で、それに伴い許可されるアクティビティの一覧が発表されたのだが、これがなんともツッコミどころが満載なのである。

キャッチボール」、「BMXバイク」、「カヌー」あたりはフムフムと読んでいたのだが、「バドミントン(シングルス)」と「卓球(シングルス)」ときた。そもそも、風の影響を受けやすいバドミントンと卓球はアウトドアスポーツではない。まあ、それでも、バドミントンはレクリエーションとして野外で遊ぶ人もいるので譲るとしても、卓球をアウトドアでやるというのはどういう状況なんだろう?

そもそも、このリストのアクティビティは全て家族とすることしか許可されていない。家に卓球台がある人は、緩和前から暇つぶしに家で家族で卓球をやっていだろう。今回緩和されたのは、アウトドアにある卓球台で家族と卓球をすることだ。一体どういうシチュエーションなのか全く想像ができない。

さらに興味深いのは、本来インドアスポーツである「バドミントン」と「卓球」がアウトドアスポーツとして許可されているのに、本来アウトドアスポーツである「テニス」はたとえ家族とでも許可されていないのだ。謎すぎる。

カリフォルニアらしいアウトドアも許可されている。「サイクリング」、「乗馬」、「ゴルフ」、「ロッククライミング」など、実にカリフォルニアらしい。しかし、どんなにカリフォルニアらしくても、「蟹採り」という項目には笑いを抑えられない。しかも「魚釣り」はリストに入っていないのだ。

どんどんあげていこう。「メディテーション」というのもある。メディテーションはアウトドアアクティビティなのだろうか。外で瞑想をすれば、アウトドアアクティビティなんだろうなぁ。きっと。

「太極拳」と「気功」が入っている。グループでやるのは禁止だが、個人でやるなら許可らしい。米国のアウトドア環境で、個人が太極拳をやっているのをあまり見たことがないけれど、全く見たことがないわけではないから、需要はあるんだろう。確かに「木登り」よりはやっている人をみたことがある。私は米国にきてから今まで、アクティビティとして木登りをしている人を見た記憶はないが、その「木登り」も許可されていた。今後、木登りをする人が増えるかもしれない。

まあ、こんな感じに絶妙に笑えるリストになっているのだが、なんともロマンティックな項目もある。「朝日と夕日の鑑賞」が許可されている。まあ、確かにこれはアウトドアアクティビティだよなと笑った。落ち込んだ時に気分を浮上させる良い提案かもしれない。でも、これって普通、「散歩」に含まれるよなとまた笑った。

このリストを作った人は、自分たちでもツッコミどころが多いと思っただろうか、時間がなくて慌てて情報をより集めたらこういう結果になったのだろうか。一体どういう状況でこのリストが作られたのが想像をめぐらすだけで、ちょっと楽しい気分になる。

リストの内容は真面目に読むと微妙だけれど、笑って読むと心が軽くなる。こういう時に笑いは大切だ。でも、まさかそれを狙って作ったんじゃないとは思うけれど。

 

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